囁揺的音楽集団AsMR LIVE REPORT。囁揺的音楽集団AsMRが開けた、新たなる扉(GATE)の先に広がった未来。

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 9月30日に発売した2ndフルアルバム『GATE OF NO RETURN』の先行リリースも兼ねて、囁揺的音楽集団AsMRが、結成5周年を祝う通算4度目となるワンマン公演、囁揺的音楽集団AsMR 4th ONEMAN LIVE「GATE OF NO RETURN」を、9月19日に横浜みなとみらいブロンテで行った。この日は、2ndフルアルバム『GATE OF NO RETURN』に収録したIMPULSE(楽曲)をすべて披露した。進化し続ける、今の囁揺的音楽集団AsMRの迫力ある姿を、存分に見せきったGATE(ライブ)だった。 

闇に包まれた場内。同じく闇が蠢くステージの上で、聖本を手にしたAyakaが語りだした。
「ようこそ、RECEPTOR(観客)のみなさま。
よくぞ、この禁断のGATEを開けてくださいました。
わたしたちはここで、果てしない時間を観測し続ける者。
あなた方がここへ来るのをずっとお待ちしておりました。
あなた方がこのGATEを開けたことは必然であります。
わたしたちは鍵と鍵穴の様に、強く互いに意味を与え合う関係。
それは惹かれ合い、求め合い、恐れ合う。
一度その存在を認式してしまえば、この因果から抜け出すことは出来ない。

これからあなた方はRECEPTORとして数多の衝撃を感じとることでしょう。
悦びか、はたまた恐怖か。
さぁ、お進みください。
その先に待つGATEで、また逢いましょう。」

と…。

 荘厳かつ戦慄を覚える音楽が場内を包みだす。2ndフルアルバム『GATE OF NO RETURN』でも幕開けを飾った、囁揺的音楽集団AsMRの新たなSEとなる『FLASHBACK』だ。錯綜するAyakaの呟きと畏敬の旋律に導かれて、新衣装に身を包んだメンバーがステージに姿を現した。そして…。

 Milliの奏でる美しいピアノの音色へGINAのギターの旋律が折り重なるのを合図に、ゆっくりと、でも、壮大かつ麗々とした世界を描き出すように『Point of No Return』が流れだした。ピアノの音色を転がしながら、遥か彼方に広がる未来の地を見つめるようにMilliが歌っていた。彼女の心の中に広がった広大な世界を、ヴァイオリンやギターの音色が交錯しながら、荘厳な蒼い世界へと塗り上げていく。差し色を差すように囁くAyakaの語りも印象的だ。まるで、祈り、崇め奉る儀式のような様を見せながら、演奏は進み続ける。いや、これから訪れる天地を揺さぶるような物語へ畏敬の念を抱きながら、その様を観測するように歌と演奏は進み続けていた。もう、引き返すことは不可能だ。そこへ…。

 耳をつんざく勢いで、勇壮なブルガリアンヴォイスが響きわたる。その音色へ導かれるように、emyu:のヴァイオリンが鋭利な旋律を勢いよく響かせた。続く、霜月はるかとコラボ制作した『Tempestas Dei』で囁揺的音楽集団AsMRは、荘厳かつスケールの大きいシンフォニックな世界を描き出していた。まるで、新たな世界をここに創造するようだ。彼女たちは『Tempestas Dei』を介して、RECEPTORに向けて、ともに新たな世界へ足を踏み入れようと誘っていた。ときに、高く手を振り上げて歌うMilli、emyu:も、ヴァイオリンの弓を高く掲げて、RECEPTORの気持ちを高ぶらせる。その姿に呼応したRECEPTORが拳を突き上げ、声を張り上げて、貪るように熱狂を求めだした。いつしかこの場には、勇壮かつ壮大な宴の様が描き出されていた。

 続く、中恵光城とコラボレートした『MYOSOTIS』でも囁揺的音楽集団AsMRは、この場に異境の世界を創出していた。母性を抱かせるMilliの歌声とemyu:の奏でる幻想的なヴァイオリンの音色が折り重なりながら、新たな扉を開き、RECEPTORを中へと誘(いざな)いだした。扉の先に足を踏み入れたとたん、タイトなドラムビートが高鳴り、emyu:のヴァイオリンが勇ましい音色を唸らせれば、GINAとAyakaも演奏に加わり、全員で北欧伝統音楽の旋律を飛び交わせ、重厚ながらも心躍る景色を描いていく。雄々しい演奏を響かせた楽曲が、この場に雄大な宴を創り上げる。曲が進むごとに疾走感を増す演奏が、RECEPTORの感情を煽り続ける。その上で、歌姫となったMilliが、おおらかに、でも美しい声を響かせていた。まるでケルト音楽のような旋律の数々を繰り出すemyu:のヴァイオリンの演奏が、心を勇ましく踊らせる。そこへ激しく攻め入るGINAのギターに、しっかりとボトムを支えるAyakaの太いベースの音。次々と転調を繰り返すたびに、楽曲は疾走感と激しさを増しながら、スケールの大きい悠久の世界を具象化していく。魂を揺さぶる演奏によって雄々しき宴人に心を染め上げられたRECEPTORが、拳を振り上げ、声を荒げ、勇壮なマーチングに転化した演奏に身を任せ、魂を熱く騒がせていた。

 もの悲しいピアノの音色とヴァイオリンの旋律が響く場内。その演奏の上で、Ayakaが一つひとつの言葉を丁寧に、こう語りだした。
「生まれ変わり、死に変わる輪廻 万物は流転する 人々は己の血をたぎらせ、そしてその身体から血を流す 散るならば舞え 散る前に闘え 聳え立つ山の頂で 曇天を突き破る生命の咆哮 『カルデラの虎』」
と…。

 
 その言葉を合図に、演奏は『カルデラの虎』へ。シタールのようなエスニックな音色が呼び水となり、重厚かつ荘厳な演奏が、RECEPTORを密林の奥深い世界へと導きだす。語り部と化したMilliが、未来を示唆した教典(物語)を読むように、言葉の一つひとつを大切に歌い、紡ぎだす。彼女の歌声へ寄り添うように奏でる音粒たちは、生い茂るジャングルの中で命を謳歌する生き物たちの声のようだ。ときにAyakaが囁く声で物語に寄り添う様も、楽曲に神秘性を与えていた。静かなる衝撃というべき緊張感を抱いた歌や演奏は、曲が進むごと、次第にスケールを増していく。Milliの声もより感情を露わに、雄々しい声を響かせていた。やがてMilliの「虎が吼える 轟音」の声を合図に、エスノサイコティックな音色が場内を駆け巡りだした。彼女たちはRECEPTORを、現代から遠く離れ、時代をトラベルした亜熱帯の異境の世界へと連れ出した。彼女たちが創り出す異境の祭典の中、闘争本能を研ぎ澄ました勇猛の虎の化身となったメンバーたちへ、誰もが我が身を捧げるようにすべてを委ねていた。

 Ayakaの語る言葉に導かれた荘厳でシンフォニックな演奏が、観客たちを中世時代の欧州のような地へと連れ出した。音の鳴る方向へと歩を進めたその先には、異端な狂気者が集う宴が繰り広げられていた。異境の世界で催された儀式の司教と化したMilliが、『異端者の祭典』を朗々と、でも、雄々しい声で歌い語る。ドラムの決めに合わせて、楽器陣がアタックを利かせた演奏を響かせる姿も印象的だ。ここは、罪人たちが巣くい、祈りを捧げる、触れてはいけない奈落の世界?Milliの声と司教に仕える者たちが繰り出す.重厚かつ勇猛な演奏に、RECEPTORは身を委ね、神の下す審判を待つような姿で、圧倒的な破壊力を持った演奏に、ただただ飲み込まれていた。

 新たな扉を開いたその先では、Ayakaがベースの音色を踊らせながら、艶やかで華やかな宴を催していた。そこには、彩り豊かな音色が飛び交い、踊る、幻想浪漫な世界が広がっていた。『Cult à la carte』を通して囁揺的音楽集団AsMRは、この場を絢爛華美な、心躍る社交場に染め上げていった。それまでの、闇と悲しみが覆い尽くした景色を魔法で消し去るように、彼女たちは気持ちが小躍りし、華やかな音の数々に酔いしれる宴を、この場に描きだしていた。心地よくも幻想的な音色の中から、時折見える影を抱いた表情もスパイスにしながら、囁揺的音楽集団AsMRは1曲の中へ、彩り豊かで鮮やかな心躍る世界を描き、RECEPTORの心も身体も小躍りさせ、マジェスティックな宴を彩る踊り子たちに変え、心地よく酔わせていった。

 この流れで『輪舞 -revolution』を聴いたことで、より一層、心が躍りだしていた。彼女たちは勢いよく躍動したこの曲に、囁揺的音楽集団AsMRらしい化粧を施し、幻想的でゴシカルな音の服もまとった姿へと様変わりさせていった。原曲の持つ胸を弾ませる嬉しい衝動に、囁揺的音楽集団AsMRはシンフォニックな魔法をかけ、踊るゴシックで耽美な世界へと『輪舞 -revolution』を染め上げた。なんて雄々しくて勇壮で、転調していくたびに表情を極彩色に彩り出す歌や演奏だろう。奈落の宴の狭間で耳にした『輪舞 -revolution』に、しばし心が華やいでいた。

 ふたたびAyakaが語りだす。
「まだこの声は聞こえていますか?
まだこの鼓動は届いていますか?」
と…。
そこへ、戦慄を覚えるピアノの音色や、ギターやヴァイオリンのASMR音が重なりだす。
「光の閉じた深層世界 可視スペクトルの最後の色さえ奪われた 本当の暗闇 もう二度と会えない者たちへ別れを告げ 届かぬ天へと 両手を合わせて祈り続ける 「どうか僕を解放してください」 たとえ、幾つもの選択肢があろうと 僕はこの道を選ぶことしかできなかっただろう うつし世はゆめ 深淵のゆめこそまこと けれども そのゆめもいつか終わりがくる おやすみなさい Abyssphere」
と…。

 物悲しげなピアノの音色に乗せて、まるでローレライの化身となったMilliが、澄み渡る美しい声で、物語を語るように朗々と歌い上げていた。『Abyssphere』は、触れた人の心を惹きつけ、惑わし、魅了する、Milliの温かな歌声から始まった。そこへ、ゆったりとした美しいヴァイオリンの音色が重なり、Ayakaの囁きも相まって、やがてスケールの大きい、ダークでディープでシンフォニックな美しい蒼の世界を描きだしていく。幻想的で麗美な演奏に身を寄せたMilliが、心の奥に秘めた思いを零すように歌い語る。その声に、ずっと心が引き寄せられ、誰もが心酔していた。やがて楽曲が臨場感を高めだすや、GINAのヒリヒリとしたギターやemyu:のヴァイオリンの演奏がMilliの感情を増幅させる要素となり、楽曲に雄大なドラマを描き加えだした。一つひとつの思いを、物語のようにして紡ぐ演奏も印象的だ。いつしか誰もが、Milliの歌声へ導かれるように、深遠なる世界に身も心も落としていった。

 「サ・ヨ・ナ・ラ・ヒ・カ・リ オ・カ・エ・リ・ナ・ミ・ダ」と囁くAyakaの声を合図に、重厚かつ荘厳な音色を雄々しく轟かせて、『トレモロ』が流れだした。巧みに緩急を付けながら、”静かなる衝動”と”激情で勇猛果敢”な表情の交錯した演奏が、みずからの感情を切り裂くように歌うMilliの声と重なりながら、心を揺さぶる悲痛なドラマを描きだしていた。なんて感情を潤し、乱し、狂わせ、打ち震えさす、混沌とした世界だろう。1曲ごと彼女たちは、いろんな心の扉を開けては、RECEPTORを異なるさまざまな物語の世界へと誘い、その宴の虜にしていった。めくるめる物語に心が嬉しく乱れ、高揚していく。そこへ…。

希望や光を抱いた、優しく跳ねるピアノの音色が響きだす。そこへ他の楽器陣も演奏を重ねるや、囁揺的音楽集団AsMRは、幻想的な、でも、不穏さも抱いた魔物が棲む森の中へと、『a・ni・ma』を通してRECEPTORを誘(いざな)った。感情をざわめかせるAyakaの語り、美しくも、意識を幻惑していくemyu:の奏でるヴァイオリンの音色。優しく時を刻むGINAのギター。森の中を彷徨うように。いや、心を惑わし、恐れ、おののくような恐怖も抱えた幻想的で深淵なる森の中へと、Milliの歌声がRECEPTORを導いていった。本当なら開けてはいけない異境の扉を囁揺的音楽集団AsMRの導きによって開き、二度と戻れないかもしれぬ、深くて暗い、でも、心を穏やかにしていく森の中へと誰もが歩を進めていた。そして、癒される歌声と音色の香りに誘われるままに、心地よく落ちていった。

 Ayakaが語りだす。 
「昏い舞台に黒い華 どれだけ咲き誇ろうとも光刺すまで誰ひとりその姿を見つけることはなかった まっくらなステージの奥、重たい扉 その扉を開けて最初の目撃者となるのは貴方 全身を駆け巡る衝撃と研ぎ澄ます感覚 覚醒せよ、Snare」
と…。

       
 「覚醒せよ」の言葉通り、華やかに跳ねたピアノの演奏と躍動したドラムのビートに合わせて、emyu:のヴァイオリンの音色が華々しく踊りだした。場内からは力強いクラップが鳴り響いている。流れだしたのが、囁揺的音楽集団AsMR流のダンスロックナンバーの『Snare』だ。インストとはいえ、一人ひとりが音色を軽やかに、しかも、一つひとつの音粒を華やかに踊るように奏でるからこそ、RECEPTORもここぞとばかりに歓喜と興奮の声を上げ、その場で身体を揺らし、飛び跳ね、熱狂した宴の様を創り上げていた。感情を煽る衝撃と、躍動し心踊る演奏が、ふたたび身体中に熱狂という血を駆け巡らせる。騒ぎたい、騒がずにはいられない。そんな衝動を察知したかのように、そこへ、ヒリヒリとしたGINAの攻撃的なギターの音が響きだした。

 その音色が誘い水となり、Milliが『PARADOX』を力強く歌いだした。スリリングな衝撃を抱いた、でも、感情を揺さぶる躍動した演奏が炸裂する。だからフロアでも、跳ねたビートに乗せて、RECEPTORが拳を突き上げ、荒ぶる声を張り上げ、その場で飛び跳ねながら荒々しく踊る演奏と感情をシンクロさせていた。Milliが腕を振り上げて煽る姿に合わせて、フロアでもRECEPTORが拳を振り上げて飛び跳ねる。囁揺的音楽集団AsMR流のダンスロックナンバーが、RECEPTORの理性を壊し、本能が導くまま、その身体を高く、より高く跳ねさせていった。

 さらに激しく、勇壮に畳みかけるように、囁揺的音楽集団AsMRは高速のビートに乗せて、心地よいテンション感を抱いた『光喰者』を突きつけ、RECEPTORから理性を完全に奪い去った。一人ひとりの演奏が、とにかく攻撃的だ。彼女たちが煌めいた演奏を降り注ぎながらこの場に描きだした新世界の中で、RECEPTORが感情をすべて解き放って暴れ狂う。でも、それでいい。囁揺的音楽集団AsMRが放つ眩しい光の衝撃は、RECEPTORを勇壮かつ眩しい音の光が渦巻く宴の中へ巻き込み、熱気の様へと導いていった。

 さらに、荒れ狂う攻撃的な音を高速で繰り出すように、囁揺的音楽集団AsMRは『雷命INFESTER』を感情と旋律を研ぎ澄ませた演奏にしてぶつけてきた。さぁ、この音に乗せて、彼女たちと一緒に大地を揺らし、この世界を様変えてしまえ。GINAの歪むギターの演奏が、終始、身体をグラインドさせる衝撃を与える。emyu:の奏でるエモーショナルでメロディアスな音色の数々が、気持ちを奮い立てる。野太いベースの音が、唸りを上げて身体を貫いていく。なにより、感情を熱く燃え盛らせたMilliの歌が、RECEPTORの理性と感情をことごとく破壊し、壊れた宴人に塗り替えていた。

 そこへ、和心を抱いた囁揺的音楽集団AsMR流の雅なダンスロックナンバーの『AYAKASHI奇譚』をぶち込んでくるとは…。終始、優美で大正浪漫な香り立つ跳ねた演奏の上で、彼女たちはこの場を、月夜の下で催す華やかな宴の場に染め上げていった。心を踊らせる、跳ねたMilliの歌声や演奏に乗せて、RECEPTORも、今宵の宴を賑やかす物の怪と化して、左右に大きく手を振りながら、夜更けの晩に百鬼夜行を繰り広げていた。誰もが華やかな音色に気持ちを踊らせ、月夜の明かりの下で宴に興じていく。重く激しく攻めるのも囁揺的音楽集団AsMRらしい熱狂の描き方だが、この曲のように、緩やかで雅な宴の場を導き出し、RECEPTORの心を踊らせる熱狂も、また新たな宴の描き方に見えて新鮮だった。曲が進むごとに大きく跳ね続ける演奏に乗せて、誰もが我を忘れてはしゃぎ、宴に興じていた。そして…。

 やはり最後はこの曲だ。「還リタイ夜 還レナイ夜 この胸を刺す 時計の針が抜けない」と、Milliが高らかに歌い上げる声を合図に、重厚な演奏が勇猛果敢に轟きだした。ゴシカルでエモーショナルな囁揺的音楽集団AsMR流のダンスロックナンバーの『Maleficium』に乗せて、みずからの限界を超える勢いで、RECEPTORがその場で高く飛び跳ねながら、理性の螺子を壊して踊り狂っていた。メンバーも、感情のボリュームをさらに高く上げ、まるで感情の弦を勢いよく弾け切る勢いで、情熱満載の演奏を繰り出し、この場を熱狂の宴へと染め上げていった。

アンコールでは、初披露となった、MilliとAyakaのデュエット曲『ライトリライト』を届けてくれた。『ライトリライト』では、本編ではずっとピアノを弾きながら演奏をしていたMilliが、マイクを手にセンターステージに立っていた。しかもこの曲では、MilliとAyakaが,次々と歌声を交わして歌うのみならず、サビでは、囁揺的音楽集団AsMR初の振りを取り入れたパフォーマンスを見せていた。Ayakaも、自身が率いる太田家ではヴォーカルを担うように、もともと2人の歌い手を擁していた囁揺的音楽集団AsMRだけに、ついにデュエットという形で、隠していた魅力を具現化させてきた。心地よく跳ねた、ポップで軽やかな曲の上でめまぐるしく歌い手が変わる様を、RECEPTORの視線がずっと追いかければ、Milliを中心に、サビでメンバーの振りや、身体を左右に振りながら演奏をする姿を真似、一緒に振りをする人たちも出るなど、これまでの囁揺的音楽集団AsMRのGATEにはなかった様相が生まれていた。デュエットも、ポップで華やかなJ-POP寄りの曲調も、振り付けもと、『ライトリライト』には新たな表情がたくさん詰め込まれている。進化を止めない囁揺的音楽集団AsMRが、まさに禁断の扉を開け、新たな装いを身につけたのが、『ライトリライト』なのは間違いない。

最後の曲の前に、バンドを代表してMilliが語りだした。

「この日で囁揺的音楽集団AsMRは結成5周年を迎えました。たかだか5年、されど5年。メンバー全員が身を削りながら、ここまでやってきました。間違いなくこの3人がいたから、わたしはここまでやってこれたと思っています。尊敬する3人と一緒に、囁揺的音楽集団AsMRとして活動できていることに感謝しています。5年間、メンバーと共に歩み続けてきたスタッフの方々にも感謝を申し上げます。そして、RECEPTORのみなさん、囁揺的音楽集団AsMRを見つけてくれて本当にありがとうございます。あなたたちが、私たちの原動力です。ライブ会場で、みなさんと一緒に共鳴できている瞬間が無くなることが怖くて、今日まで続けてきました。闇の世界でみなさまを救おうと活動をしていますが、いつからか立場が変わり、救われているのは私たちだと思っています。そして今日、また新しい扉が開きます。向こう側の景色を一緒に見ていただけますか。私たちは、あなたを置き去りにはしません。誰一人置いてはいきません。還れないなら、還しません。その先に待つGATEで、またお逢いしましょう」(Milli)

最後に届けたのが、囁揺的音楽集団AsMRの始まりの曲『Saturated World』だった。5年間の歩みを祝う晴れの日の最後に、彼女たちは、改めて原点となる姿を示し、自分たちの根本を成す姿勢は何も変わっていないことをRECEPTORへ伝えれば、自分たちでもそれを確かめるように演奏を繰り出していた。「呼んでいるの? 呼んでいるのは~」と歌う、芯を持ったMilliの美しい声が、一人ひとりの心を強く惹きつける。 その演奏に向けて、フロアから野太い声と無数の拳が突き上がっていた。幻想浪漫で怪奇で、でも、妖しく耳を引き寄せるオルタナティブでゴシカルな音世界が、この空間をカオティックでシンフォニックな世界へと染め上げていった。どんなに新たな扉を開けようと、囁揺的音楽集団AsMRは囁揺的音楽集団AsMRであり続ける。その姿勢を最後に示しながら、彼女たちは、また新たなGATEを開いて、次の舞台へとその歩を踏み出していった。

PHOTO:鶴田健吾
TEXT:長澤智典

<インフォメーション>

2nd Album「GATE OF NO RETURN」
MUEA-1028
¥3,300(税込)
『FLASHBACK』
『Point of No Return』(テーマ ポイント・ネモ)
『ライトリライト』(テーマ マンデラエフェクト)
『Maleficium』(ボードゲーム「魔女のお茶会」胡蘭麗 イメージソング)
『Tempestas Dei』(霜月はるか×囁揺的音楽集団AsMR コラボレーション楽曲)
『輪舞 -revolution』(少女革命ウテナ OPテーマ Cover)
『AYAKASHI奇譚』(舞台「ばけどろ」オープニング主題歌)                  
『a・ni・ma』(小説「幸福の森」テーマソング)                      
『カルデラの虎』(ボードゲーム「魔女のお茶会」ナンドンランドン イメージソング)
『cult à la carte』(ゲーム「Lirac」主題歌)
『MYOSOTIS』(中恵光城×囁揺的音楽集団AsMR コラボレーション楽曲)

セットリスト
Ayaka 朗読
『FLASHBACK』
『Point of No Return』
『Tempestas Dei』
『MYOSOTIS』
-Story-
『カルデラの虎』
『異端者の祭典』
『Cult à la carte』
『輪舞 -revolution』
-Story-
『Abyssphere』
『トレモロ』
『a・ni・ma』
-Story-
『Snare』
『PARADOX』
『光喰者』
『雷命INFESTER』
『AYAKASHI奇譚』
『Maleficium』
-ENCORE-
『ライトリライト』
『Saturated World』

SNS
WEB: https://asmr-band.jp/
X: https://x.com/asmr_band/

Point of No Return / 囁揺的音楽集団AsMR Songs Inspired by Point Nemo
https://www.youtube.com/watch?v=5S9c1zmH7ZU

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